COLUMN

商品売りと担当者売り

2025/01/21

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株式会社hozemiの上田栄彦です。保険営業に役立つコラムをお送りしています。

今日は『商品売り』と『担当者売り』についてお話しします。

これは良い商品を供給するのが良い担当者なのか、それとも担当者自身の価値を高めてお客様にメリットを提供するのが良い担当者なのか、という議論です。

このテーマは業界内でよく話題になります。

特に一社専属と代理店の間で、SNSなどでよく言い争いになるテーマですね。

これはイデオロギーというか、ポジションの争いでしょう。

代理店の人からすると、「商品の幅が広いほうがお客様にとって一番良い選択肢を提供できる」という意見が多いです。

保険料が安い商品、解約返戻金が高い商品、加入要件が緩い商品、無告知型の商品など、お客様のニーズに合った商品を選べることが強みで、「これが一番お客様のためになる」と。

だから「一社専属なんていらない。全員代理店に来ればいい」と主張する人までいるんですよね。

ただ私は最近一社専属から代理店に移った身として、両方の立場を見てきたからこそ感じることがあります。

一社専属と代理店を比べたとき、確かに代理店は商品の選択肢が多いという点で有利です。

ただそれが必ずしも「お客様にとってベストな提案につながっているか」というと、そうではないことも多いと感じます。

商品の良さに頼る提案の限界

代理店の最大の強みは間違いなく商品選択肢の多さです。

保険料が安い商品、解約返戻金が高い商品、あるいは緩和型や無告知型の保険といった、多様なニーズに対応できる商品ラインナップがあります。

これ自体はお客様にとって魅力的な提案材料です。

多くのお客様が引受可能になるということはそれだけ売上が上がりやすいことを意味します。

また一社で引受できる保障額にも上限がありますので、超高額の保障を提案する方は複数社提案できる代理店が有利でしょう。

実際に私も代理店に移ってから売上は上がりました。

供給者サイドとしては事実であると思います。

(代理店に来れば誰でも売上が上がるのではなく、売れている人が来るとさらに上がりやすい)

ただ商品が豊富だからといってそれだけでお客様に最適な提案ができているかというと、実はそうでもないんですよね。

率直に言えば、代理店の募集人に担当してもらうことが必ずしも顧客の幸せには直結しません(かと言って一社専属に担当してもらうことが必ずしも顧客の幸せでもない)。

代理店募集人は商品に頼りすぎた提案になりがちで、お客様の本当の課題に向き合っていないケースも多い。

私も代理店に来てからは自分が商品の力に寄りかかっていることを実感しており、商品に頼りすぎないよう商談やマーケティングを日々ブラッシュアップし続けています。

さらに一部の営業マンはコミッション優先で提案を組み立ててしまいがちです。

いわゆる「コミッション売り」ですね。

お客様の利益を考えず、自己都合で商品を選ぶ提案になってしまう。

一方、一社専属の営業マンには商品選択の余地はない。

その代わりにお客様の本質的な課題を掘り下げて解決策を提案する力が鍛えられるのです。

商品力に頼らず、お客様のニーズをしっかりと見極めて提案する。

このアプローチが一社専属の営業マンの強みだと私は思います。

紹介をもらうときも、お客様やキーマンとしっかり人間関係を築いてから進めるというプロセスを丁寧に踏んでいます。

もちろん一社専属でもコミッション優先、商品優先で販売する人は多数います。

ただ代理店はほぼ同じ保険商品でもコミッションが違うためコミッションの高い商品を優先して提案するという『思考のクセ』がつきやすく、将来的に保険商品の選定自体も顧客ニーズよりコミッションを優先するという歪みが生じやすいと感じています。

保険料の安さだけが正義ではない

ここで私が言いたいのは、「安い保険料、高い返戻率だけが必ずしもお客様にとってベストではない」ということです。

保険料が安いほうがお客様のためになるというのは代理店側のポジショントークに過ぎません。

良い保険商品に加入したくらいでお客様の人生は幸福になったりしないですし、多少保険料が高い商品に加入したくらいで不幸になったりしません。

不幸になることがあるとしたら、それは保障の額と種類が足りない場合です。

これは一社専属にいようが代理店にいようが、担当者の腕次第で起こりうることです。

もちろん体況の問題で保険に入りにくい被保険者の方は代理店でトライする方が有利ですので、そのようなお客様まで保障を届けたい方、あるいはそのような保険加入ニーズが強いお客様を逃したくない人は代理店を選んだ方が良いでしょう。

しかしそれも個人の選択の自由であって、たとえば私の前職では『見込客』の定義として

  1. アプローチ可能であること
  2. 支払能力があること
  3. 加入資格があること(体況が良いこと)

というものがありました。

緩和型のない時代、他社と比較しない時代に作られたものなのでもしかしたら現代の考え方にフィットしないかもしれませんが、顧客を選ぶのは募集人の自由です。

それを『広く遍く人々に保障を付保できる乗合代理店の方が良いに決まっている』という論調は、価値観の押し付けかポジショントークであると私は感じています。

話を戻しますが、安い保険料、高い返戻率が正義と思っている方は、ご自身が消費者として買い物する時でもそれを徹底しているのでしょうか。

例えば自動車を買うとき「新車が一番いいに決まっている」と考える人がいる一方で、新古車のほうがコスパの良い場合も多いですよね。

減価償却を考えれば中古車がベストなこともあります。

大きな買い物ですが、最適な選択はできていますか?

あるいは不動産を買うときに割高な物件を買っていませんか。

日々の買い物だって、業務スーパーやコストコ等でまとめ買いをしていますか?

コンビニで割高な水を買うことも普通にありますよね。

保険もこれと同じです。

お客様にとって必要なのは保険料の高い安いではなく、今すぐ保障を手に入れることではないでしょうか。

保険事故が起こってからでは遅いし健康状態が悪くなれば加入できないこともあります。

だからこそお客様に最速でリーチできるのが保険屋として最も重要な使命であり、そのマーケティング力や仕組みを持っていることこそが正義だと私は思います。

安くて沢山の選択肢がある店よりも便利な人、近い人、頼りになる人。
『何を買うか』ではなく『誰から買うか』です。

商品売りと担当者売り、両方を磨くべき

商品売りも担当者売りもそれぞれに強みと弱みがあります。

そして両者には、それぞれに合った役割があります。

「商品ばかり詳しくて全然売れない営業マン」をオタクのように揶揄する人がいます。

また「担当者売りばかりで保険の商品知識が全然ない営業マン」を批判する人もいます。

しかしどちらか一方を否定することは間違いです。

どちらもバランスよく実践することが大切だと思っています。

商品知識を深める努力も必要ですし、担当者としてお客様に信頼される存在になることも大事です。

事実、業界のトッププレイヤーは担当者売りとしても強烈なプレイヤーですし、同時に商品研究も詳細にしている方が多いのです。

ちなみに売れる/売れないに関してだけ言及すると、『保険商品について誰よりも詳しいけれどコミュニケーションはダメ』という人でTOTになった人は聞いたことありませんが、『保険についてほとんど分からないけれど人間性、人間関係だけでTOT』という人はゴロゴロいるということは記載しておきます。

いずれにせよ一社専属でも代理店でも、自分のいる場所で最善を尽くすことが一番です。

それが本当にお客様のためになると私は信じています。

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