株式会社hozemiの上田栄彦です。保険営業に役立つコラムをお送りしています。
今日は営業で使えるセールステクニックの一つをご紹介します。
今回お話しするのは『第三者話法』です。
この手法は私の前職であるプルデンシャルでも頻繁に使われていましたが、簡単に言うと『言いづらいこと、受け入れづらいことをお客様が受け入れやすい形で伝える方法』です。
要はお客様が考えたくないことを自然に腹落ちさせるために非常に有効な手法となります。
第三者話法が有効な理由
営業の中で最も話しづらいのが「お客様が亡くなったときの話」です。
例えば「あなたが亡くなったら奥さんとお子さんが路頭に迷いますよ」と言えればシンプルですが、そんな言い方をされたら多くのお客様は抵抗を感じますよね。
人間は本能的に自分の死を考えたくないものですし、急に現実を突きつけられると心を閉ざしてしまうこともあります。
また、相続や事業承継の話でも同じことが言えます。
「あなたが亡くなった後、お子さんたちが財産を巡って揉めるかもしれません」とストレートに伝えたところで、反発して「うちは大丈夫だよ」と受け流されるのがオチです。
しかし、お客様自身も「もしかしたら揉めるかもしれない…」という不安を抱えていることが多いのも事実です。
そこで第三者話法を使うと、お客様に抵抗なく受け入れてもらいやすくなります。
第三者話法の使い方
「あなたが」「私が」ではなく、第三者の話をするのがポイントです。
「先日、私のお客様でこんなケースがありました」
「〇〇さんという方が、こういうことをおっしゃっていました」
といった形で、他人の体験談を通じてお客様に考えてもらいます。
これにより、お客様は当事者意識を持ちつつも、冷静に物事を捉えられるようになります。
これはウィンザー効果と呼ばれる心理的効果を利用したものです。
例えば、Googleマップの評価や食べログのレビュー、〇〇セレクション金賞など、第三者の評価の方が信頼性を高めるというものですね。
第三者話法の実例
例えば死亡保障の話をする際に
「あなたが亡くなったら奥さんとお子さんが困りますよ」
ではなく、
「先日、私のお客様で同じような年齢・収入の方がいまして…」
と切り出すわけです。
具体的にはこんな話し方ができます。
「先日、私のお客様で30代の会社員の方がいらっしゃいました。
奥さんとお子さんがいて、まさに〇〇さんと同じような状況でした。
実はその方、突然癌になってしまい、余命2〜3ヶ月と宣告されてしまったんです。
幸いにも手厚い癌の保障と死亡保険に入っていたので、奥様から『本当に助かりました。これで子どもを大学まで卒業させられます』と感謝の言葉をいただきました」
こうやって話すと、お客様自身のこととして自然に受け止めてもらいやすくなります。
ここで重要なのは話を捏造しないこと。
自分のお客様の実体験や、会社の先輩、MDRT分会、日本会などで聞いた経験談を借りてもいいので、リアルな話を使うことが大切です。
こういった話を積極的に聞いておくことでより説得力のある第三者話法が使えるようになります。
相続のケースでの第三者話法
相続の話をする際も
「相続対策しないと、お子さんたちが揉める可能性がありますよ」
ではなく、
「私のお客様で、こういうケースがありました」
という話し方が有効です。
たとえば
「私のお客様で、同じように2人のお子さんがいらっしゃる方がいました。生前はとても仲が良く、『うちは相続で揉めることなんてないよ』とおっしゃっていました。
しかし、ご相続が発生してから状況が一変。
お姉さんがその時お金に困る状況になっていて、配偶者からも取れるものは取ってこいと言われ、弟さんに『お父さんの遺産をもっと分けてほしい』と主張し始めたんです。
結果として、姉弟間で大きなトラブルになってしまいました。
まあ、〇〇さんのご家庭は大丈夫だと思いますけどね!」
このように話すとお客様も「うちもどうなるか分からないな…」と考えやすくなります。
「一般的には…」という表現も有効
第三者話法の応用として、「一般的には〇〇なケースが多いですね」という言い方もあります。
例えば
「私はこうした方がいいと思います」
ではなく
「一般的には、こういう考え方をする方が多いですね」
というだけで、お客様は押しつけがましさを感じにくくなります。
特に、営業色が強いと受け入れられにくい場面では、このような表現を使うとスムーズに伝わります。
まとめ
第三者話法は、言いづらいことを伝えるのに非常に効果的な手法です。
特に死亡保障や相続の話など、お客様が考えたくない話題ほど有効です。
- 「あなたが」ではなく「他の方の事例」を話す
- 話を捏造しない
- ウィンザー効果を活用し、話の信憑性を高める
- 「一般的には〜」という表現で、営業色を抑える
この第三者話法、私も事業承継や相続の現場で毎日のように使っていますので、ぜひ皆さんも使ってみてください。





