株式会社hozemiの上田栄彦です。保険営業に役立つコラムをお届けしています。
前回のコラムで反対処理、応酬話法よりも『事前反対処理』の方が保険募集人を長く続けるためには有効だと書きました。
『事前反対処理』とはお客様から反対、反論が出る前にそれを潰してしまう手法です。
これは『テストクロージング』というスキルと共に必須の営業スキルで、成約率やクロージング率を引き上げ、また商談の回数やクロージングのストレスを軽減できる超強力なスキルです。
マーケットや紹介、リーズなどの販路を問わず募集人ならば習得したいスキルです。
私も個人の商談を数多くこなしていた時はこの手法を必ず利用していました。
そしていま相続や事業承継案件の商談でも日頃から多用しています。
今は成約率75%程度ですが、これを使わなければ60%程度まで減少するか、商談回数が増えて生産性が20-30%落ちるはずです。
反対処理ではなく『事前反対処理』が有効な理由
それではなぜ反対処理ではなく『事前反対処理』が有効なのでしょうか。
例えば商品プレゼンが終わった後の「ちょっと考えたい」という反対の場合。
多くのお客様は「ちょっと考えたい」と言った時に、実際には「ちょっと考えたい」明確な理由は持っていません。
なんとなく今は決めたくない。
大きな決断だからなんとなく不安。
このような漠然とした感情しか持っていません。
それに対して強い反対処理をしてしまうと、漠然とした違和感の理由を探して明確にしてしまう=断る理由を作ってしまうことがあるのです。
そしてこの状態のお客様は『決断しないという決断』をしてしまったわけです。
ここから再び決断する心理状態へ戻すには強烈なエネルギーと刺激、あとは巷でよく目にする小芝居で笑わせたりして気を紛らわすような、万人には到底できない手法でないとひっくり返せない状況に陥ります。
そのため「ちょっと考えたい」と言われた瞬間に失注と私は定義しています。
オープニングでYesを頂くことが重要
それでは反対が出ないような事前反対処理とは何をすればよいのでしょうか。
たとえば商品プレゼン、クロージングする回の冒頭、本題に入る前にこんな話をします。
募集人
「実は保険プランのご提案を聞いていただいたあと、お客様から『ちょっと持ち帰って考えたい』と言われることがあるんです。でも私のお客様、お仕事できる方からお仕事できる方に紹介していただいているのでみなさん忙しくて、次回までに本当に考えてきてくれる方ってほとんどいないんですよ!笑
ちなみに〇〇さん、前回お会いしたあと保険のこと復習して考えた時間ってありましたか?」
お客様
「いや、ないですね。笑」
募集人
「ですよね!ほとんどのお客様にご同意頂いてるんですが、持ち帰ってもお忙しくて考えられないのであれば、今日私の提案を叩き台に2人で調整を入れて納得できるプランが出来上がったら、『今日ご契約まで進んでいただきたいと思ってます。よろしいですか?』」
お客様
「それもそうですね。笑 わかりました。」
このような感じです。
ポイントは『今日ご契約まで進んでいただきたいと思っています。よろしいですか?』という言葉をプレゼン前、クロージング前のオープニングにお伝えして『YES』を頂くことです。
今日決めてほしい理由については然程重要ではないと考えています。
YESを頂くことが重要です。
未来のYESを頂くことが事前反対処理
人には自分が一度決定したことは最後まで一貫してそれを貫こうとする心理があります。
これを『一貫性の法則』といいます。
プレゼンが終わった直後に『今すぐ契約してください』というのは圧迫感が強すぎて合意を得るのは難しいですが、商談の冒頭に未来のYESをもらうことはそう難しいことではありません。
一度YESを頂ければ、お客様がそれをひっくり返す可能性を減少させることができます。
未来のYESを頂くことが事前反対処理といえます。
ただし事前反対処理でクロージング率を高めるのはあくまで『提案内容がお客様の最低合格ラインを上回っている』ことが前提ですので、うわべのスキルだけで成約率が上がるわけではないことはご承知おきください。
ちなみに「前回から今回まで保険のこと考えましたか?」と聞いた時に「全部復習してインプットしました」というお客様も一定割合いらっしゃいます。
そういう方々は良い提案さえすれば一度持ち帰って納得してご加入していただけることは多いです。
私の経験上、そういうお客様は自分から必要保障額や保険料を計算して提案より上げてくれる方も数多くいます。
そのような方々に対しては無理に圧力をかけることなく、必ず一度持ち帰って考えてもらうようにしてください。
ちょっとアグレッシブな『事前反対処理』
またかなりアグレッシブな先輩から教わったのは、このような事前反対処理でした。
「私のお客様みなさんお仕事できる方が多くて決断が早いんですよ。〇〇さんもお仕事できて決断が早い方だと思いますので、良かったら今日ご契約まで進めちゃってください!」
少し圧力強めの事前反対処理とテストクロージングを兼ねたワードで使う場所と使う人を選びますが、このような言い方やスキルを使って成約率を上げている人もいるのだと勉強になりました。
相続や法人案件、紹介依頼についても事前反対処理、テストクロージングは重要
また相続や法人案件では『税理士に相談したい』『税理士に相談したら止められたので今回は見送ります』という反対や失注が散見されます。
こちらも言われたら終わりですので、言われる前に事前反対処理をしておくことは重要です(税務関連のことを税理士に相談するのを止めるのではありません)。
さらに紹介依頼についても、初回訪問から申込まで一度も紹介に言及することなかったのに申込が終わった直後に急に紹介依頼をすると、強烈な拒絶に遭うことがあります。
ここでもセールスプロセスの序盤から紹介のテストクロージングを重ねて、『紹介くださいね』という将来のYESを頂いておくことが重要です。
感想お待ちしております!

