hozemiの上田です。保険営業に役立つコラムをお送りしています。
今日は「TOTがお客様との会話の中で思考していること」についてお話をしたいと思います。
TOTなど、パフォーマンスの高いプレイヤーが商談中にお客様に対して何を考えているのか、お客様から何を感じ取っているのか、それをどうやって提案につなげているか、という点についてお話しします。
パフォーマンスの差は「お客様の課題の解像度」に現れる
私は日々、多くの募集人の方と交流しますが、パフォーマンスの高い方とそうでない方にははっきりと表れる違いがあります。
それは「お客様の真の課題(本当のニード)」に対する解像度です。
お客様が思っていることや言っていることではなく、その方の人生において
- 本当に困りそうなこと
- 課題になりそうなこと
への解像度が、パフォーマンスの高い人は非常に高いのです。
それに対してパフォーマンスの低い人は、お客様の課題に対する解像度が非常に低いと感じます。
商談のタイプとして、コミュニケーション能力が高くキャラクターが立っている人もいます。自分にお客様を引きつけファンにしてしまうことで何でも売れる状況にする。
これも一つの強力な営業スタイルだと思います。しかし私はそういうやり方はしません。
お客様の感じていることを読み取って、「お客様はこう言っているけれど、本当はこうだよね」ということを感じ取り、それをお話しするスタイルです。
お客様の潜在ニーズを顕在化させる、あるいは、お客様が本当は分かっているけれど隠していることを言い当てることで、お客様の信用を掴んでいくスタイルで活動しています。
「不快から逃れる」ための徹底的な想像
商談中にお客様との会話で何を考え、探っているのか。そのプロセスとして最も重要なのは、「想像力を働かせる」ことです。
私はお客様の話を想像しすぎて想像に夢中でお客様の話をちょっと聞き漏らしそうになるほど、しっかり想像しています。
それでは何を想像するのか。それはたった一つの事柄だけです。
その一点とは、「このままの状態で人生(個人)や経営(法人)が進んでいった場合、お客様がどこで、何に困るのか」を想像することです。
そもそもお客様は何のために生命保険を買うのでしょうか。
人が買い物をする理由は、
「快楽を得るか」
「不快・苦痛から逃れるか」
のどちらかしかありません。
生命保険を買って気持ちいいということはなく、基本的には不快を取り除く、人生や経営から苦痛や悲しみを取り除くためのものです。
要は「ゼロをプラスにする」のではなく「マイナスをゼロにする」性質の商品です。
ですから、お客様がどこで苦痛や不快に陥るのか、その人生を想像し続ける。これが一番やっていることです。
株の暴落を例とした「感情」と「出口戦略」の検証
例えば、NISAに月30万円全力で入れているサラリーマンのお客様がいたとします。
その方が最も困る、苦痛に陥るのはどのような時でしょうか。
それはもちろん、リーマンショックのような株の大暴落が起きた時です。
大暴落すれば資産が半分や3分の1になると大変だということは想像すれば誰にでも分かります。
一方で、「積立をやっているから大丈夫」という考え方もあるし、お客様もそのつもりでいると思います。
しかし、もう一段階進んで想像してみます。
例えば投資金額が3,000万円や4,000万円という大きな金額になっていて、3,000万円が4分の1の750万円になったとします。
リーマンショックの際には実際に起こったことですが、その時に、すでに4分の1になった資産に対して、さらに毎月30万円ずつ突っ込めるか。
私が想像するに、これは非常に恐ろしいことです。
「毎日インデックスが10%、20%下がっていく中でさらに10分の1になるかもしれない」という恐怖が働くからです。
そして多くの人はその恐怖に耐えきれず、解約して損失確定してしまいます。これがいわゆる「狼狽売り」です。
特に個人投資家は狼狽して売ってしまう傾向が強い。
その状況で毎月お金を入れ続けられる人がどれくらいいるでしょうか?
私は社会人になってからずっと投資信託や株、債券を買っていますが、おそらく3分の1や4分の1になってまだ買い続けられるほどの勇気はないと正直に思います。
ですので、素人のお客様がそんなことができるかといえば、おそらくできない。
もう一つ進んで想像します。
さらにその時期が退職寸前の60歳手前だったとしたらどうでしょうか。
「暴落したら安いところで買えるじゃん」
という理屈があっても、暴落する時期を考えなければいけなくて、30歳や40歳ならまだしも、50代後半で大暴落したら取り返しがつかない。
退職してしまえばやすい株価で買うための種銭がなくなってしまうという問題があるわけです。
具体的に想像してください。
これ以降収入=投資元本が見込めないため取得価格を下げられない状況で資産が1/3まで目減りしている、
つまり『30年間理不尽に耐えながら宮仕えを頑張ってきた末に、株の大暴落で自分の老後の人生が破綻するかもしれない』という極限状態です。
この状況で人は正常な投資判断ができるでしょうか?
私は多くの方ができないと考えています。
すると、次に想像するのは「全部株に入れるのはどうなの?」という話になります。
時間とその時の感情、あとは「論理的にはこうだけれど、感情ではこう」という、頭ではわかっているけど心がついていかない状況に思いを馳せるわけです。
人間は感情の生き物です。
地球の人口が増え続けて経済が発展し続ける限りは株価は上がり続けるという論理と過去のデータで言えば、株が落ちたら戻るのは当然ですが、本当に3,000万や4,000万が4分の1になった時に続けられるかというと、やはり続けられないお客様が多いだろうなと。
その感情になった時に、人が何をするかまで想像するのです。
多面的な目線で「可能性」を提示し、信用を築く
では、お客様がそうならないためにどうすればいいのか。
一つは株ではなく預金や債券、保険に半分ぐらい入れておく方法もあるし、あるいは利益確定ですね。
上がったところで利益確定をしておけば暴落による損失は最低限に抑えられるので、どうやって利益確定をするか決めないと、という発想に至ります。
暴落した時に困るので、それをどうやったら防げるかという思考工程をいくつか考えます。
半分預金にしておくことと、利益確定をちゃんとすること。
しかし株式投資は買うよりも売るほうが難しいですから、出口戦略を自分一人で作れる人はなかなかいないわけです。
それではどうするかというと担当者がちゃんと付いておくところが重要ですが、自分がこの保険のビジネスをしている中で株の保全までできるかと考えた時、自分には将来保険金の請求もあるし、 IFAを同時にやっていくとしてもきついな、というところまで考えて、最終的な提案が例えば「株半分、保険半分の方がいいんじゃないですか」という提案に落ち着くわけです。
(人によってもちろん、IFA登録して証券担当としてもサポートしていく、あるいはIFAを紹介して一緒にサポートしていく、という結論もあります)
お客様が困ること、困った時にどういう感情になるか、いつ起こったら困るのか、リカバリーできるのか。
そしてそれを防ぐ策を2、3パターン考えて、それが自分が手伝えることなのか、コストがかかる方法なのか。
20年、30年後にそれができるのか、約束してもいいものか。
それを一瞬でバババっと考えるというのを私はやっています。
さらに想像力という意味では、お客様が言っていることと心の奥底で思っていることは違うことも多いので、常にそれを検証しています。
特に法人の商談や相続・事業承継の商談では感情や思いが先行して論理的に考えられていない人もかなり多いマーケットです。
数字上やルール上はどうなのかをしっかりこちらが把握して、物事を多面的に見て、「右から見たらこうだけど、左から見たらこうですよね」というお話をちゃんとして差し上げる。
そうするとお客様も「そんな可能性があるんですね」と気づき、信用してもらって契約につながるのだと思います。
我々の商材自体がお客さんの不快や苦痛を取り除くものなので、コミュニケーションスタイルもそのスタンスで臨むと、必然的にお客様のライフプランニングのリスクにも目が届くようになります。
そういうトレーニングを日々することをお勧めしたいと思います。





